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2012/11/09 愛知県研修旅行報告

11月9日、10日で、愛知県の株式会社半田キャスティング様と新東工業株式会社様を総勢19名で見学訪問してまいりました。

半田キャスティング様は、2007年2月設立の新しい鋳造工場。特色はフォークリフト用カウンタウェイト生産特化した、Vプロセス。

見学者19名が、ほとんど初めてのVプロセス工場の見学でした。
岡山組合員企業にはない鋳造方法で、主型にフィルムをかぶせ、塗型し、乾いた細かな砂を金枠に入れ上にフィルムを置き、真空引きすると一瞬で砂が引き締まり、砂型硬度90レベルまでとなるそうです。

砂のバインダーも、水分も、混練も不要で、注湯・冷却後解枠すると砂時計の砂のように崩壊し、回収冷却したままで、また造型に使える!

製品は、細かな砂の影響もあってか、ほとんど仕上げる部分もなく、寸法精度も良い。フォークリフトの顔に相当する部分なので、お化粧の塗装下塗りして出荷(最終塗装は顧客側で実施)。

不良率は、千分台レベルと。イニシャルの設備費はかかるけれど、操業コストは、環境維持費を考えてもフランの工場と比較して十分に競争できる。環境改善や品質の改善度やほとんど不良がないことなど、鋳造のブレークスルー技術で、向いている製品分野では、競争力があると感じた。

もう5年も経つのに、工場の壁には鋳物特有の汚れがなく、臭いもない。環境優良表彰(下記参照)を受けられたのも当然と思われます。

素形材センター会長賞受賞特集記事 -環境優良工場-  

大変なご厚意により、いろいろなことを教えていただきました。改めて、鋳造の可能性を教えていただいた、鈴木社長様・田中顧問様他、案内いただいた皆様や、この設備メーカーの新東工業の皆様に感謝する次第です。
 


午後は、新東工業様(豊川工場)を見学。

基礎技術展示では手に触ることのできる鋳造関連の基礎技術モデル実験ミニ設備に皆興味津々。製品モデル展示や、技能安全研修センターなど、すばらしい内容で、それぞれ見学予定時間を超過する程でした。

従来の会社紹介のレベルを超えて、新しい会社紹介のイメージを創る、素晴らしいものと感じました。鋳機からスタートし、関連分野に広く可能性を広げていることは参考になりました。

技能安全研修センターでは、作業危険を体験しKYすることで、安全を実現できるスキルを持った現場人を育てる取り組みに感銘を受けました。

当日は、ドリル作業での軍手の巻き込まれ実験を見学しましたが、一瞬のうちに巻き込まれる軍手の破壊力を自分の目で見ることで、手袋作業の危険性を実感できました。
(簡単にやってみようと思わないでください!周囲をカバーした設備でないと危険!手の反射で引っ張り込まれないように手で触らずに行うこと)

新東工業では、社内安全教育が進むにつれ、予想以上の安全改善実績となったそうです。運転免許証のように今後も繰返し教育を行ない、海外グループ拠点への展開を含め、さらに安全の意識と技能の向上を図っていくとのことです。

※新東工業CSR報告書2012技能安全研修センター概要と成果の9ページ(PDFでは10ページ)上段参照

岡山県では最近労災が増加し警報が出されています。鋳造でも安全は最も大事なことであり、安全職場の実現と永続は大きな課題です。

安全は、安全第一の徹底、教育、講演、ビデオ、作業体験、事故から、などいろいろな方法で推進されていますが、今回のような体験道場的な教育は、危険を実感できるために効果的だと感じました。
今後、各県でも設備を伴った安全研修ができるようになればいいのにと感じた次第です。


充実した見学ののち、浜名湖の舘山寺温泉に一泊し、懇親会を行い、翌日は、トヨタミュージアムで自動車文化の歴史を学び、名古屋のサッポロビール園で北海道式のおいしいジンギスカンを頂き、熱田神宮参拝し、リニア鉄道館を見学するという充実した時間を過ごすことができました。

改めて、受け入れ戴いた企業の皆様、企画し、参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

2011/10/06 中国河南省鄭州訪問見学報告

11月6,7,8日で、岡山組合の組合員のイノテックさんの中国鄭州の会社(鄭州日新精密機械有限公司)と、近隣の鋳造関係など5工場を見学して参りました。

組合の海外研修としては、中国大連・韓国釜山に続く3度目です。

今回は、イノテックさんの全面的なご支援により旅行社なし添乗員なしでの旅行となりましたが、総勢19名とイノテックさん現地のご協力で無事に実施できました。

見学の詳細内容は、ここでは触れませんが、昨年の11月のイノテックさんの工場開工式に組合から、理事長と副理事長が出席訪問して以来の約1年後の訪問。

岡崎社長からは、定点観測にもなるので、定期的に行ってはどうかという提案もありましたので、今後の課題として検討したいと思います。

全体的な感想としては、

1.予想以上に実りある研修だった。
2.中国の着実かつ急激な成長を実際に見て、今後の企業戦略の参考になった。
3.ここまで成長しているとは思わなかった。新旧の生産方式の変革の時代だ。
4.内陸の発展の速度に驚嘆した。広い工業開発区が巨大企業で埋まっていく姿や、計画経済のすごさを実感した。
5.各空港の設備や新型の飛行機や自動車時代入りした上海や鄭州など、日本以上の部分も多く見られて、時代が変ってしまったことを感じた。
6.イノテックさんは、中国進出20数年の中で培った人材や、努力の中で現在の地歩を占めるようになったが、その中で人材と企業戦略や経営理念が重要だったということが収穫だった。
7.食事は、岡崎社長のお勧めのところだったこともあってか、今回参加したほとんどの人がおいしいと感じられるものでした。忙しい中で、唯一の楽しみの部分でした?!

というあたりでしょうか。

中国や、東南アジアへの研修旅行が、ライバルとの直面という緊張したレベルに移行したことを痛感させられた内容でもありました。

改めて、今回のハードな(観光やみやげ物店立ち寄り皆無)研修旅行に協力頂いた 皆様に感謝申し上げます。

中四国組合合同忘年会(広島開催)

2010年11月29日に、広島で瀬戸内鋳物組合合同忘年会(仮称)が開催され、 広島・福山・愛媛・岡山の4組合より18名が参加しました。 岡山からは、光岡・渡辺・河口・藤原の4名が参加。

昨年は、山陽道ということで福山で広島・福山・岡山の3組合で開催しましたが、今年は更に1組合が増え、瀬戸内(仮称)ということになりました。

各組合理事長より、組合の現況や周辺状況の報告、出席者全員からの各社の状況などの報告がありました。

各組合、6-7割の仕事量の回復ということで、まだまだの状況ということですが、分野によっては忙しいところや、仕事が減ってきているところなど様々とのことでした。

広島組合では、鋳物に関連したビデオ作成の話が進行中で内容は本格的なものを企画しており、既にかなりの映像撮影が進行中で、文化庁への補助金申請の話もあるとのことです。資金がかなり掛かるので、できたらよろしくとのことでした。もし可能であれば?、「キュポラのある街」主演の国民的女優をナレーターに起用したいな!!!との案(夢)もあるとのことです。

今回の忘年会の意義は、広域での鋳物業の連帯が大きな意味があるということです。

中国という巨大生産地兼巨大人口と市場を隣に持つ日本としては、各企業単独での勝負だけでは限界があるために、連携して対処する必要があります。

今回の会合でも、相互に仕事の話をできる会社が集まっており、仕事・技術者育成・技術開発(今回のレアメタル騒動も含めて)など、さまざまな面で地域の鋳造業が相互に顔見知りであることの意義は大きいことを実感したしだいです。